利用フリーで公開している「LeAsn1Xmlツール」をVer1.40にバージョンアップしました。今回は機能追加と言うよりもバグ修正が目的です。大きなバグは以下の２種類です。

• definite form（固定長）でサイズがゼロの場合に、indefinite form（不定長）と誤った判定をしているケースがあったので修正した。


• Context-Specific で order=5 の時に、誤って "NULL"タグ（値:5）と判定をしてしまい、正しく Context-Specific となっていなかった。

これまで「Le-XAdES Library」で使っていた範囲では上記２つのケースに適合するデータが無かった為に見逃していました。これまでASN.1/BERファイルなのに解析できないケースがあったかと思いますが、このVer1.40で解消されていると思います。まだ他にもありましたらぜひご連絡下さい。

LeAsn1Xmlライブラリとしては幾つか機能拡張されていますが、「Le-XAdES Library」の為の機能拡張の為に「LeAsn1Xmlツール」としては影響がありません。なお今回利用しているソースは次回「Le-XAdES Library」のオープンソース版を公開した際に含まれます。

「LeAsn1Xmlツール」のVer1.40に関してのバグ報告や質問やコメントがありましたら本投稿にコメントかmiyachiまでメールをお願いします。

長期署名のプロファイルとしてECOMにより標準化活動されていた、XAdESが日本工業標準調査会（JISC）の審査を経て2008年3月20日にJIS標準規格となりました。これまではETSIやW3Cの規格だったわけですが、これからはJIS規格として日本での標準の１つになったことになります。なおバイナリ形式のCMSを使ったCAdESも同時に「JIS X 5092:2008 CMS利用電子署名(CAdES)の長期署名プロファイル 」としてJIS規格となっています。

ECOMからJIS規格対応として「電子文書保存のしくみと実務 第２版」が一般書店でも購入可能な書籍として発行されました。もう店頭にも並んでいると思います。長期署名プロファイルに関しては一般で入手可能な書籍としてはバイブル的なものになると思いますので、長期署名にご興味のある方はぜひお買い上げ下さい。定価は税別2800円です。第２版とあるようにこれまでも「電子文書保存のしくみと実務」が発行されていましたが、第１版はJIS化前のプロファイルになりますので間違えて購入されないようにご注意下さい。なお第１版のサブタイトルは「e-文書法への実践的対応」でしたが、今回の第２版のサブタイトルは「記録管理の基本と標準化」となっています。
さて書籍の中には１ページの半分ですが弊社の「Le-XAdES Library」の宣伝も入っています。大した事は書いてありませんが一般の皆さんの目に少しでもとまれば嬉しいですね。弊社以外の製品に関しても同じサイズで８社が記載されています。これらの製品はいずれも昨年行われたECOM 2007年度相互運用性テスト をクリアしたものばかりです。

現在ECOMのWGでは今年の活動内容に関して検討を開始しているところです。今年は弊社も参加しますので少しでも貢献できるように頑張るつもりです。

セイコーインスツル株式会社様の時刻配信サービスを提供しているクロノトラストのリポジトリにて配布される文書に関して、弊社のLe-XAdESを利用した長期署名ファイルにより公開がされるようになりました。「時刻監査証明書（ＴＡＣ）改修のお知らせ」と言う文書です。リポジトリの最後に弊社へのリンクもはって頂きました。

長期署名フォーマットがＪＩＳ化され（まだ告知していませんでしたね、後日ブログに書きたいと思います）、普及させる意味でもセイコーインスツル様のように実際に使って頂ける事は大変意義があると思います。検証ツールとしてはまだテストアプリの XAdEStool しか無いので、この辺りももう少しキチンと整備して行きたいと考えています。何はともあれセイコーインスツル様ご利用ありがとうございます。

なおPKIにおいてリポジトリとは認証局（ＣＡ）やタイムスタンプ局（ＴＳＡ）やセイコーインスツル様のような時刻配信局（ＴＡ）においてルート証明書や運用規則等のPKIを利用するのに必要な情報を公開する為の場所を指します。