来週書くと言っておきながら1週間まるまる更新がありませんでした(^^; 本業が忙しくて更新している暇がありませんでしたm(_ _)m
と言うことでRSAカンファレンス2005の雑感でもまとめましょう。毎年テーマがあるらしいですが、今年は
禁酒法時代のシカゴがテーマらしいです。なのでパンフレットも少しレトロな感じの男女のシルエットが使われています。女性の方はオープニングによるとマフィアの暗号文書を解いたチームの女性リーダーをもじっているそうですが、なんかネットで調べても良く判らないです(笑) でもまぁテーマがあってそれをもじった装飾なんかがしてあるのは雰囲気があって良いかもしれませんね。日本のメーカーが良く主催する単なる展示会よりは面白いです。
さて会場は先にも書きましたが
プリンスホテル・パークタワーです。ついでに先日豪華と書いたトイレの様子も写真で… セミナー会場は真ん中に展示会場をはさんで、有料と無料に別れています。無料セミナーは凄い人手でした。昨年は展示会しか行かなかったんですが、今年は暗号技術のトレンドも勉強したいと言う事で有料セミナーに参加しました。昼食・初日夜パーティー等も含んで事前登録で4万8千円。高いようにも思えますが昔企画をやっていた時の経験から言えばこれでも赤字かなと思います。が、うちの家族にも不評だったカンファレンスロゴ入りバッグとかはいらないと思う。海外の展示会やセミナーではバッグが付く場合があるが、あれは膨大な資料のバインダーなんかを持ち帰りやすくする為である。今回のカンファレンスは全部ドキュメントがダウンロードなのではっきり言ってバッグは不要です。あと昼食もカレーや焼きそばを立食と言うのはちょっと何だかなぁと言う感じでした。そんな事はどうでも良く、セミナーから幾つかトピックスを。
1)ハッシュ関数の動向について
ここ数年で一番動きがある技術がハッシュ関数に関してでしょう。動きがあると言っても悪い方向なので喜べませんが(-_-; まずはMD5は完全に使えないとの認識で、SHA-1も基本的には危険だとの判断のようです。SHA-2(SHA-256等)はまだ安全ですが処理が遅い等、基本的にMD4/SHA系列の技術は限界が見えてきていると言っても良いようです。ブロック暗号技術等を使った新しい系列のハッシュ関数標準が待たれます。とりあえずは暫らくはSHA-2を使うしか無いと思います。
このようにある日、これまで使っていた暗号技術が使えなくなるとのケースはこの世界ではありがちな事です。このような情報は国レベルできちんと管理すべきであるとのセミナーもありました。また1つの暗号技術を過信して依存すべきでは無いとも。例えばSSLのセキュリティが破られてもアプリケーションレイヤーで更に別の技術を使って暗号化していれば憂慮する事は無いと言う具合です。ぜひそこには弊社の
CRYPTERを使って頂けると嬉しいです(^o^;;
2)e文書法関連の動き
個人情報保護法に隠れてしまい世間的には認知度はまだまだですがe文書法に関連するセミナーも数多くありました。私も書籍は買っているものの、積んどく状態なのでセミナーで要点を勉強するのは非常に助かりました。電子署名やタイムスタンプの技術やこれからの課題等。結構面白かったです。すぐにどうこうと言う事は無いのかもしれませんが、数年経てば大きな市場になっているかもしれません。
3)その他
他にもブロック暗号の利用モードに関するセミナーも面白かったです。標準化する為の動きや証明可能安全性に関して判りやすくて面白かったです。
DRMに関連するセミナーも幾つかあったものの、この分野では技術的な進歩は見られないように思います。せいぜいがモバイル機器への対応とかクライアントの幅が広がる程度でしょう。個人的な意見ではありますが、従来からのDRMはエンタープライズ分野には良いが、そのままコンシューマ向けDRMにするのは無理があると考えているので、その方面でのテーマがあっても面白かったかもしれないと思います。例えば
Appleの「FairPlay」とか。ただDRMの技術って理論的に安全にするのは困難ですからあまり余計な情報を出したく無いと言う辺りが難しいかもしれませんね。
4) 最後に
来年のRSAカンファレンス2006も今年と同じパークタワーで4月26日(水)~4月27日(木)に開催予定との事。来年も行けたら有料セミナーで勉強したいと思います。
勉強と言えばセミナーでは「ここでは時間が無いから概要だけで詳しい発表は千葉で行われる
SEC2005で!」と言う話が結構出ていました。これは
IFIP(International Federation for Information Processing)と言う国際的な情報処理学会の発表会が今年は
SEC2005として日本の幕張メッセで行われるのでした。ここでは暗号に関する専門的な発表があるのですが、国際会議なので当然英語のみですし学会に加入している必要もあります。そのうち出てみたいとは思いますが敷居が高いです。
駆け足で書いて来ましたが、正直もっとこのようなセミナーで勉強したいと感じました。ただ前提として暗号関連の勉強をある程度はしておかないと要点も判りません。時間を見てもっと暗号技術の勉強をして行かねばと誓ったのでした。