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2004-09-30
民間宇宙旅行時代を告げるビクトリーロール [by miyachi]
と言う事で今日はやはり
スケールドコンポジット社SpaceShipOneの
X-PRIZE挑戦第1回目成功のニュースでしょう。まずは
「祝1回目成功!」です。
X-PRIZEとは3人以上搭乗可能な民間宇宙船で2週間以内に2回の宇宙飛行(高度100Km以上)を実現して着陸まで無事に行う事に対して与えられる賞で、賞金は1000万ドル(約11億円)です。
昨夜の10時から
Web中継があると言うので自宅から接続して見ましたがナローバンドを選んでもブツブツと切れてしまい諦め、今朝になってから同じサイトで配信されている録画再放送を見ました。編集されていないようでやたらと長い放送を途中こまめにスキップしたり早送りしたりしてやっと離陸。更に暫くしていよいよ切り離しされラウンチ(発射)です!
高度100Kmに達する機体を機載カメラと超望遠カメラが追います。上昇中にロール(進行方向に直角の向きの回転)が生じドキドキしましたが、無事にロケット燃焼を終了して放物線に従いフリー状態に。高度100Kmでは空気抵抗はほとんど無いのでロール以外の回転も加わり木の葉のようです。う~ん同乗してたらどんな感じんなんだろう(笑)と思いつつ見ていると左右の尾翼を上に跳ね上げる帰還形態を取りじょじょに角度や回転が安定して来ます。ある程度安定したところで通常形態に戻り滑空して降りてきます。美しい!そのまま出発した空港まで戻り脚を出して(ちなみに前脚は車輪では無くソリの様子)無事着陸!トラックが駆け寄り皆が出迎えます。その後はリムジンのような車両に牽引されてエプロンに戻り、パイロットが降りて記者会見が始まりました。
ちなみに上昇中のロールは「勝利の回転」と言っていたそうですが、これは「ビクトリーロール」ですね。軍のパイロットなんかが勝利を祝って滑走路上を通過しつつロールを打つのをそう呼びます。危険な状態だったと思うんですがさすがパイロットは冗談がお好きなようで。着陸後にSpaceShipOneの上に登ってガッツポーズを取るパイロットの姿なんかは映画
ライトスタッフのチャックイエーガーを彷彿させる風景でした。
さてSpaceShipOneは宇宙(NASAだと高度80Km以上が宇宙)までは行きますが残念ながら軌道速度は出せませんので衛星にはなれません。いわゆる弾道飛行と言うもので宇宙にいられるのは分単位の時間です。つまり距離よりも高度を稼ぐ飛行をしていると言う事です。しかしながらSpaceShipOne以前に同様の飛行を実現したのはNASAの
X-15でそれも36年も前なのですから偉業には違いありません。それより何より私が評価するのが母機がいるとは言え出発した普通の民間空港へ普通に着陸して帰還した事です。X-15は3脚共ソリ形式でしたし乾湖に着陸していました。着陸の様子も直前で軽く浮き上がったようにも見え結構安定感が感じられました。
なぜこのような事を重視するかと言えば宇宙観光の第1歩として見ると、特殊な打ち上げ場や着陸場を準備する必要も無く短期間で再利用可能な機体が必須だからです。既に
ヴァージン社が提携して2007年から宇宙旅行を提供する計画があるのです。ちなみにお値段は1人約19万ドル(約2千万円)との事。最低3日のトレーニングも必要ですが、これは逆にトレーニングも楽しみのうちのような気がします。
さて10月4日に予定されている2回目の飛行(今度は複数人が搭乗予定だとか)が成功すればX-PRIZE獲得です。これが民間による宇宙旅行時代の始まりかもしれません。それにしても出資しているのは米国のIT業界で成功した人間だったり、英国の冒険好きの富豪だったり、こういう活力を目のあたりにすると眩しくてクラクラします。私も会社を成功させて…無理かなぁ…いや諦めたら終わりだぞ!いよいよ民間宇宙開発の時代が到来したと信じて!
一方中国も
着々と宇宙開発の準備を進めているようです。ヨーロッパ(主にフランスだが)はロシアと組んで
ソユーズロケットを共同運用するようでやはり着々と有人宇宙開発の方針を進めています。さて日本は?民間?
JAXA?それとも…
2004-09-21
毎日:天文知識:小学生の4割は「天動説」天文台助教授ら調査
宇宙開発が盛んになる為には宇宙に興味を持ってくれる人を増やすのが近道だと思うのですが、小学生は「天動説」を信じているのか_| ̄|○
うちの上の子は小学4年生なのですが、確かに理科の教科書に出ているのは、
・星座は時間が経つと形は変わらないが移動する。
・太陽や月や星座は東から南の空に上り西に下りて行く。
・月は満ち欠けを繰り返す。
とか程度の情報しか無い。地球・月・太陽の位置関係なんかも書かれていないでこれらの情報を読めばそりゃあ天動説を信じますよねぇ。地上から見た宇宙の知識だけでは無く、太陽系くらいの説明とかはあっても良いのでは?
こんなだから書店の宇宙コーナーに「アポロは月に…」とか「実在するUFO…」とかのトンでも本が並ぶ事になるのかと嘆息。やれやれ(-_-;
2004-09-20
最近読んだ宇宙開発本 [by miyachi]
なんか宇宙開発カテゴリって食玩ばかりって言われそうなので、最近読んだ本から感想を幾つか。
その1:
宇宙の傑作機 アリアン5
スペースシャトルとその影響を受けたヘルメスがあった為に思いもよらず大型化してゆくアリアン5の歴史が中心です。最近の松浦さんの持論であるスペースシャトルと国際宇宙ステーションの悪影響をアリアン5をベースに展開するストーリーは説得力がありました。前著のアリアン4は自他共に認める傑作ロケットだったのですが、アリアン5はどうでしょうか?評価には今暫くの時間がかかりそうです。それにしてもアリアンシリーズ全体を通してみて、ヨーロッパ…と言うよりフランスの自主独立精神の強さには羨望さえ覚えてしまいます。政治的なビジョンが明確になっているとどんな開発も最後には実現してしまいそうです。翻って日本を見ると政治的なビジョンがどうしても「アメリカ追随」であり、アメリカの宇宙政策の変更に伴い右往左往している姿ばかりが目に付きます。アリアン5は既に20機近い打ち上げ実績を持ち、更に30機を追加発注されていると言う。ライバルと自画自賛しているH-2Aの実績はどうか?これからの予定は?実は日本の場合は政治的な弱腰の為に締め付けばかりが厳しくなっている状況のようにも見えます。日本の場合には民間レベルでロケット開発が活性化しないと難しいかもなぁ。ESAは2006年までソユーズの射点を建設して打ち上げを開始するそうだ。そうロシアとESAの協力関係が出来つつある。さて日本はどうする?と考えさせられる本です。
その2:
衝撃のスペースシャトル事故調査報告 NASAは組識文化を変えられるか
著者は
日本企業はNASAの危機管理に学べ!と言う本を以前に書かれている。題名から判るようにこれはNASAの素晴らしさを前提に書かれたものであり、実は今回の本も一部の章は全く同じような内容が書かれているが、コロンビア号の事故を考えると違った面が見えてくる。先の松浦さんの本と共通のするのはもはや「NASAは万能では無い」ことを色々な人が気付きはじめているように思える。もちろん一部の作家はいまだに
NASA賛美の本を出していたりするが、程度が知れるので買ってはいけない(笑) おっと閑話休題。この本はコロンビア号事故調査報告書に軸足を置いた本です。宇宙開発に関係なくても組織のあり方に興味があれば1000円以下の安い本でもありますし一読しても良いのでは。
その3:
上がれ! 空き缶衛星
あっと言う間に読了しちゃった本です。内容自体は良いが個人的にはもう少し細かな情報も欲しかった気がします。とは言え学生達の奮闘が生き生きと伝わって来ます。そうですやはり何でも作ってなんぼ、作って初めて判る、事が一杯あるのです。若いうちの一時期に打ち込む物に出会えたエンジニアは幸せですね。本書では空き缶衛星(CanSat)の始まりから最初の打ち上げまでを東大を中心に書かれた物です。エンジニアであればこういう本を読んでモチベーションを上げる事は大事だと思います。この本を読んでいると自分でも出来そうに思えます。私の学生時代と言えばマイコン黎明期でした。まだ自作マイコンなんかがあり、大学際ではASCIIに載っていた記事から自分達でプリント基板を焼いて通信システムをデモした事もありました。結果は失敗だったんですが、やはり自分の手でハードを作る楽しみは経験しないと判らないようにも思います。CanSatを経験した人達が時代を変えるのかもしれませんね。
おまけ:
宇宙開発は現在NASAが迷走を続けている関係で色々な意味でリセットがされる時期に来ているのかなぁと思います。中国の台頭もあり、日本の宇宙開発の将来は…私は民間の力にかかっていると思っています。アメリカ追随のお役所仕事ではまともな宇宙開発は困難では無いかと感じてしまうのです。市場があると判れば後から参入しても制覇してしまうのが日本企業の良い(?)ところなので、ぜひ期待したいですが、大企業よりもベンチャー企業により期待したい気もあります。現在の日本の宇宙開発の現場はどうしてもお役所的大企業的な面があります。それはそれでも良いのですが、やはり「好きだからやる」「やりたいからやる」人が出て来て欲しいのです。私は今の会社で少なくとも「好きだからやる」を実践しているつもりです。だからまぁ今日も休日出勤で仕事してますが、嫌ではありません。(家族には申し訳無いですが(^^;) そんな中で最近面白いと思ったのは
1億円の衛星用ロケット、茨城の中小企業15社が構想と言うニュースです。こういうところに投資するインフラが揃えば日本でも色々出来るようにも思いますが、いかがでしょう?
2004-09-09
王立科学博物館の白シリーズも少し買い足してみた。現在はシークレット入れて全8種のうち6種(蒼穹・遠雷・聖夜・残照・帰郷・侵略)が揃った。あと木星儀とパイオニアが入った巨神が揃えばとりあえず満足なんだが…あと1つが難しいんだよなぁ。ちなみに黒シリーズも同様に5種(新世界・久遠・星都・孤島・遊星)が揃っているが、こちらはまぁ残った3種類が火星人とかなのであまり興味が無い(笑)つーことで後欲しいのは「巨神」のみ!写真はシークレットの侵略なんですがこれは正直いらんかったです(笑)
ここまででダブりは3種類程あったんだが友人である
くだん書房店主が先日事務所に飲みに来た際にあげてしまった。あと1つを達成する為にまたダブりが出そうなのできっとまたプレゼントする事になりそうな予感(^^;
桜木さんは白黒全14種(シークレット以外?)は揃ったそうですが、真面目に買って揃えたのだろうか?ちと気になったりして。
今朝のニュースで
NASAの探査機Genesisのサンプルリターンの様子が。見ているとカプセルが落下しているところをアップで映していて「おぉ!」と思って見ていたら………そのまま地面に激突…ありゃあ(^o^;;
地面にめり込んでいる様子もニュースで流れていましたが、さすがにサンプルは駄目でしょうねぇ…パラフォイルが開く予定だったのが開かなかったようです。残念でした。
さて某店主が飲みに来たついでに頼んでいた
宇宙の傑作機 アリアン5を届けてくれたの読んでいるところです。著者はおなじみ
松浦さんなので安心して読めます。と言うか宇宙の傑作機シリーズの豪華執筆陣の場合はどの人でも安心して読めますが。ちなみにこれ同人誌で
世界の傑作機をもじって宇宙機を対象にしたものです。装丁はちゃんと許可を貰ってパロっています(笑)コミケで発表されますが
くだん書房でも取り扱ってますので興味のある方はよろしく~(^-^)/アリアン5の感想は読了後に。